公開講座のご案内

公開講座実施レポート

連続公開講座【キャンセルカルチャー アメリカ、貶め合う社会】

 本年も上智大学大阪サテライトキャンパスにて、前嶋和弘教授(上智大学総合グローバル学部)による連続公開講座がスタートしました。

今年度は「キャンセルカルチャー アメリカ、貶め合う社会」と題し、3回にわたり、未曾有の国家分断状態が続くアメリカを、対立の中で生まれた「キャンセルカルチャー」という言葉を縦軸にときほぐし、今後どうしたら対立を乗り越えられるのかを展望します。

第1回目は「アメリカの分断と「キャンセルカルチャー」という言葉」と題し、アメリカが抱える分断の原因、政治的分極化をみていきました。

アメリカにおける地域差や生活スタイルの違いからくる文化の対立は、アメリカ建国時、そして南北戦争から脈々と続く複雑な要因が背景にあり、世界観の対立、生き方そのものの対立、そうして文化の戦争にまで発展していることが解説されました。

今回も関東をはじめ様々な地域の方にオンラインで受講いただくと共に、大阪サテライトキャンパスでも多くの方が受講されました。受講者の年齢層も様々で、10代から70代までと幅広い年齢層の方に受講いただき、活発な質疑応答もありました。

受講された方からは「豊富な具体例、先生の実体験と共に政治的な話題を解説されていて非常に面白かった。」「アメリカの深層部について毎回新しい発見があります。」といったお声を頂戴しております。

次回は5月20日(土)に「「文化の戦争」:ヘイトクライム、銃規制、同性婚、ダイバーシティ、妊娠中絶、移民」を開講いたします。

引き続き、こちらのページより先着順にて申込を受け付けております。

皆様のご参加をお待ちしております。

連続公開講座【2022年アメリカを読み解く視点 バイデン政権のこれまで】

2022年4月16日(土) 14:30~16:00

 2021年度に引き続き、総合グローバル学部の前嶋教授による連続公開講座【アメリカを読み解く視点】が、大阪サテライトキャンパスでスタートしました。

 初回は【バイデン政権のこれまで】と題し、就任から約1年3か月となるバイデン政権を振り返りながら政治的ポイントを見ていきました。

 トランプ前大統領が掲げたスローガン、「アメリカ第一主義(America First)」から一変、バイデン政権は「アメリカは戻ってきた( America is Back)」「外交が戻ってきた Diplomacy is Back)」といった国際協調、同盟国重視、国際機関重視の下、政策外交を進め国際社会からの高い期待を得てきました。

 一方のアメリカ国内に向けてはどのような政策が進められ、アメリカ国民からはどのような評価を得てきたのか。いまなお続くコロナ対策、アフガニスタンからの撤退、そしてロシアのウクライナ進行という、これまでに無い不確定かつ不安的な世界情勢の中で、バイデン政権に向けられる評価のポイントについて、近々の統計データに留まらず、前嶋教授の経験談も交えながらの講義となりました。

 受講者の年齢層も20代から70代と幅広く、オンラインを利用されて東京、神奈川、長野からの受講もありました。講座への満足度もたいへん高く、「最新の情報を聴くことができた。」「断片的なニュース報道だけではなくこのような講義で基本的な知識や背景の取得も大事であると日々感じております。」といった感想をいただいております。

 次回は5月21日(土)14:30~16:00に【2022年中間選挙の動向】をテーマに開講いたします。今回の受講者からは「トランプ氏の勢力は復活するのか?今後のロシア、NATOとの関係や方向性は?」「民主党は議席を減らした場合、バイデン大統領のどの政策が最も影響を受けるのか。」といった、次回講座に繋がる質問も多数いただいております。

 今後のアメリカだけでなく世界動向にも大きく関わるアメリカの中間選挙。11月の選挙前に、ぜひ本講座を受講されてみてください。これまでとは違った国際政治や国際関係を読み解く新たな視点に繋がります。

 会場、オンライン共にまだお席のご用意が叶いますので、受講をご希望の方は下記申込みページよりお申込みください。申込締切は5月17日(火)18時ですが、満席になり次第、申込は締め切ります。

 皆様の受講をお待ちしております。

「宮沢賢治の宇宙」―その宗教と文学、短歌・詩(心象スケッチ)・童話・法華経―

講座①:宮沢賢治の宇宙1~短歌と詩(心象スケッチ)と家の宗教(浄土真宗)
講座②:宮沢賢治の宇宙2~童話と法華経

2019年2月15日(金) 講座①13:30~15:00 講座②15:30~17:00

 これまで上智大学大阪サテライトキャンパスでは、源氏物語をはじめとした中世文学、太宰治や夏目漱石を取り扱った近代文学の講座を開講し、大きな反響を頂戴してきました。

 今回はグリーフケア研究所特任教授であり、以前に高等学校でも教鞭を執っていた鎌田東二先生の宮沢賢治を取りあげた講座を開講いたしました。

 宮沢賢治の作品は、彼の生い立ちや幼少期に被災した三陸沖大地震と津波の体験、そして関東大震災が深く関係しているということを皮切りに、彼の作品に人々の心を少しでも温めようとする童話や説話が多いのは、彼が体験した災害と、それがもたらしたスピリチュアルな宗教観が強く関係しており、「銀河系を意識して生きる」ことをテーマに描かれているという内容に発展していきました。

 文学の領域に留まらず、賢治のバックグラウンドにある宗教観を絡めての講義は、これまでの一般的な宮沢賢治観とは異なり斬新で、受講者からは「賢治の目指す世界観を再認識しました」「壮大で概念的なテーマであったが、私達一般の者にもわかりやすい平易な言葉で順序だててお話してもらえた」との評価を頂戴しました。

 また、「教育者としての大切なことを教えていただきました」「宮沢賢治を新しく知ったように思いました。特に“教育者”の部分が印象的でした」といったような、教育関係者の声も多数ありました。

 2019年前期の公開講座でも鎌田先生の「三島由紀夫の文学と思想~平成から令和への転換点で~」という講座を開講いたします。

キリスト教講座第3回

講座①:大航海時代と日本:日本情報と世界史および日本キリシタンの思想・社会史
講座②:アレッサンドロ・ヴァリニャーノと「順応」方針による文化交流

2016年1月30日(土) 講座①13:00~14:30 講座②15:00~16:30

 大阪サテライトキャンパス2015年秋期公開講座の最終回は、川村信三教授(文学部史学科・イエズス会司祭)による講座でした。キリスト教に関心がある方だけでなく、日本史・歴史学に興味をお持ちの方にも大勢お集まりいただき、満席に近い参加者のご受講がありました。

 16世紀の大航海時代に、はじめてヨーロッパで認知された日本がどのように伝えられたのか、そして日本の情報がヨーロッパに伝わる中でイエズス会を中心とするヨーロッパ出身の宣教師達が、戦国時代の日本にどのようなルネサンス・ヒューマニズムの文化を伝えていったのかということを、世界史・日本史二つの視点から立体的に捉えることができる講義でした。
 今日の私たちが、当たり前のように行っている生活慣習にも、実はこの時代の宣教師達が日本に持ち込んだものがあるなど、驚きの発見も沢山ありました。
 日本の戦国時代とヨーロッパのルネサンス文化を接続させた注目すべき大航海時代を、ヨーロッパと戦国時代の日本というグローバルな広い観点から捉えることで、視野が広がり、ますます当時への興味関心が深まる講義だったのではないでしょうか。

 また、川村先生が番組作りに参加された、歴史ドラマ制作でのお話もありました。ドラマ制作の裏側では、リアリティを求め、再現性を高めるために多くの文献・資料を基に考証を行い作成していくことが聞いて取れました。

 川村先生の講座の一部は、無料で学べる大学講座「gacco」で配信を予定しております。現地点で配信時期は未定ですが、ぜひこちらもチェックしてみてください。

 今回の講座で2015年度大阪サテライト公開講座は全て終了となります。ご参加いただきました皆様にとって、新たな発見、興味関心を更に深める契機となれば幸いです。

文学に見る明治の<恋愛>

講座①:尾崎紅葉「金色夜叉」-出世としての玉の輿-
講座②:森鴎外「舞姫」-LOVEのできない男-

2015年11月7日(土) 講座①13:00~14:30 講座②15:00~16:30

 大阪サテライトキャンパス2015年秋期公開講座の第1回目は、小林幸夫教授(文学部国文学科)による『文学に見る明治の<恋愛>』でした。
 当日は30名近く、10代から70歳以上までと大変幅広い年齢層の受講生にご参加いただきました。

 前半は尾崎紅葉の長編小説『金色夜叉』、後半は森鴎外の『舞姫』を題材に、開国後日本に西洋文化と共に伝わった「LOVE」という語を、当時の人々がどのように受け止め、翻訳し、そして流行していったのかを考えていきました。
 受講生からは、当時の日本文化とアメリカ文化の結婚形態の比較を通し、それぞれの違いを捕らえることで、当時の結婚・恋愛観の思想を考えるのに大変参考になったとのお声を頂戴しました。

 とても軽快でわかりやすく、ユーモア溢れる講義は90分という時間が短く感じるほど情報量も多く、大変充実した講義との声も多数頂きました。講座終了時に受講生から自然と拍手が沸き起こったことからも、多くの方にご満足いただけた講義だったことがうかがえます。
 尾崎紅葉『金色夜叉』は読んだことが無かったものの、今回の講義を受けてぜひ読んでみようと思われた方もいらしたようです。

 後半の講義では、森鴎外に関する貴重な資料の紹介もありました。
 まさかこんな貴重な物を拝見できるなんて、と、受講生の方々も驚きのご様子でした。

 ぜひ、この講義が様々な近代文学に触れるきっかけとなれば幸いです。

 さて、次回講座はキリスト教講座の第1回目、雨宮慧名誉教授(神学部)による『善きサマリア人のたとえ』です。
 既に多くのお申込をいただいておりますので、受講希望の方はお早めにお申込ください。
 年明け2016年1月16日(土)は、月本昭男特任教授(神学部)による神学講座第2回『アブラハムの生涯に学ぶ』、2016年1月30日(土)は、川村信三教授(文学部史学科)によるキリスト教講座3回を予定しております。
 川村教授は日本の戦国期から近世初期にかけての宗教と社会関係が主要研究テーマであり、戦国時代を題材とした番組作りにも協力をしております。
 日本史・戦国時代史にご興味がある方はぜひご受講されてはいかがでしょうか。

 ひきつづき、皆様のご受講をお待ちしております。