公開講座のご案内

公開講座実施レポート

「宮沢賢治の宇宙」―その宗教と文学、短歌・詩(心象スケッチ)・童話・法華経―

講座①:宮沢賢治の宇宙1~短歌と詩(心象スケッチ)と家の宗教(浄土真宗)
講座②:宮沢賢治の宇宙2~童話と法華経

2019年2月15日(金) 講座①13:30~15:00 講座②15:30~17:00

 これまで上智大学大阪サテライトキャンパスでは、源氏物語をはじめとした中世文学、太宰治や夏目漱石を取り扱った近代文学の講座を開講し、大きな反響を頂戴してきました。

 今回はグリーフケア研究所特任教授であり、以前に高等学校でも教鞭を執っていた鎌田東二先生の宮沢賢治を取りあげた講座を開講いたしました。

 宮沢賢治の作品は、彼の生い立ちや幼少期に被災した三陸沖大地震と津波の体験、そして関東大震災が深く関係しているということを皮切りに、彼の作品に人々の心を少しでも温めようとする童話や説話が多いのは、彼が体験した災害と、それがもたらしたスピリチュアルな宗教観が強く関係しており、「銀河系を意識して生きる」ことをテーマに描かれているという内容に発展していきました。

 文学の領域に留まらず、賢治のバックグラウンドにある宗教観を絡めての講義は、これまでの一般的な宮沢賢治観とは異なり斬新で、受講者からは「賢治の目指す世界観を再認識しました」「壮大で概念的なテーマであったが、私達一般の者にもわかりやすい平易な言葉で順序だててお話してもらえた」との評価を頂戴しました。

 また、「教育者としての大切なことを教えていただきました」「宮沢賢治を新しく知ったように思いました。特に“教育者”の部分が印象的でした」といったような、教育関係者の声も多数ありました。

 2019年前期の公開講座でも鎌田先生の「三島由紀夫の文学と思想~平成から令和への転換点で~」という講座を開講いたします。

キリスト教講座第3回

講座①:大航海時代と日本:日本情報と世界史および日本キリシタンの思想・社会史
講座②:アレッサンドロ・ヴァリニャーノと「順応」方針による文化交流

2016年1月30日(土) 講座①13:00~14:30 講座②15:00~16:30

 大阪サテライトキャンパス2015年秋期公開講座の最終回は、川村信三教授(文学部史学科・イエズス会司祭)による講座でした。キリスト教に関心がある方だけでなく、日本史・歴史学に興味をお持ちの方にも大勢お集まりいただき、満席に近い参加者のご受講がありました。

 16世紀の大航海時代に、はじめてヨーロッパで認知された日本がどのように伝えられたのか、そして日本の情報がヨーロッパに伝わる中でイエズス会を中心とするヨーロッパ出身の宣教師達が、戦国時代の日本にどのようなルネサンス・ヒューマニズムの文化を伝えていったのかということを、世界史・日本史二つの視点から立体的に捉えることができる講義でした。
 今日の私たちが、当たり前のように行っている生活慣習にも、実はこの時代の宣教師達が日本に持ち込んだものがあるなど、驚きの発見も沢山ありました。
 日本の戦国時代とヨーロッパのルネサンス文化を接続させた注目すべき大航海時代を、ヨーロッパと戦国時代の日本というグローバルな広い観点から捉えることで、視野が広がり、ますます当時への興味関心が深まる講義だったのではないでしょうか。

 また、川村先生が番組作りに参加された、歴史ドラマ制作でのお話もありました。ドラマ制作の裏側では、リアリティを求め、再現性を高めるために多くの文献・資料を基に考証を行い作成していくことが聞いて取れました。

 川村先生の講座の一部は、無料で学べる大学講座「gacco」で配信を予定しております。現地点で配信時期は未定ですが、ぜひこちらもチェックしてみてください。

 今回の講座で2015年度大阪サテライト公開講座は全て終了となります。ご参加いただきました皆様にとって、新たな発見、興味関心を更に深める契機となれば幸いです。

文学に見る明治の<恋愛>

講座①:尾崎紅葉「金色夜叉」-出世としての玉の輿-
講座②:森鴎外「舞姫」-LOVEのできない男-

2015年11月7日(土) 講座①13:00~14:30 講座②15:00~16:30

 大阪サテライトキャンパス2015年秋期公開講座の第1回目は、小林幸夫教授(文学部国文学科)による『文学に見る明治の<恋愛>』でした。
 当日は30名近く、10代から70歳以上までと大変幅広い年齢層の受講生にご参加いただきました。

 前半は尾崎紅葉の長編小説『金色夜叉』、後半は森鴎外の『舞姫』を題材に、開国後日本に西洋文化と共に伝わった「LOVE」という語を、当時の人々がどのように受け止め、翻訳し、そして流行していったのかを考えていきました。
 受講生からは、当時の日本文化とアメリカ文化の結婚形態の比較を通し、それぞれの違いを捕らえることで、当時の結婚・恋愛観の思想を考えるのに大変参考になったとのお声を頂戴しました。

 とても軽快でわかりやすく、ユーモア溢れる講義は90分という時間が短く感じるほど情報量も多く、大変充実した講義との声も多数頂きました。講座終了時に受講生から自然と拍手が沸き起こったことからも、多くの方にご満足いただけた講義だったことがうかがえます。
 尾崎紅葉『金色夜叉』は読んだことが無かったものの、今回の講義を受けてぜひ読んでみようと思われた方もいらしたようです。

 後半の講義では、森鴎外に関する貴重な資料の紹介もありました。
 まさかこんな貴重な物を拝見できるなんて、と、受講生の方々も驚きのご様子でした。

 ぜひ、この講義が様々な近代文学に触れるきっかけとなれば幸いです。

 さて、次回講座はキリスト教講座の第1回目、雨宮慧名誉教授(神学部)による『善きサマリア人のたとえ』です。
 既に多くのお申込をいただいておりますので、受講希望の方はお早めにお申込ください。
 年明け2016年1月16日(土)は、月本昭男特任教授(神学部)による神学講座第2回『アブラハムの生涯に学ぶ』、2016年1月30日(土)は、川村信三教授(文学部史学科)によるキリスト教講座3回を予定しております。
 川村教授は日本の戦国期から近世初期にかけての宗教と社会関係が主要研究テーマであり、戦国時代を題材とした番組作りにも協力をしております。
 日本史・戦国時代史にご興味がある方はぜひご受講されてはいかがでしょうか。

 ひきつづき、皆様のご受講をお待ちしております。